感染症に用いる漢方薬|上伊那郡辰野町よつば薬局
今回はインフルエンザなどの感染症に用いる漢方薬についてご紹介します。
我々が用いている漢方薬について書かれた古書に「傷寒論(しょうかんろん)」があります。今から1800年ほど前に書かれたとされており、現在も使用されている漢方薬について、どういう症状の時に、どの漢方薬を使うべきかが記載されています。
傷寒論の傷寒とは、腸チフスやインフルエンザなどの感染症のことと言われています。新型コロナウィルスが猛威をふるっておりますが、漢方薬は2000年前から感染症に対して治療に用いられてきました。漢方薬はゆっくり効くとか、長く飲まないと効かないなどとよく言われていますが、風邪などの感染症の時に漢方を飲むと直ぐに効いてきます。
傷寒論では病気を進行具合で分類しています。感染初期、つまり風邪の引き始めを「太陽病」と呼んでいます。この時期に使う薬に、有名な「葛根湯」があります。発熱や首筋の凝りがあり、汗をかいていない方が対象になります。風邪の他蕁麻疹や、肩こりなどにも応用されています。
汗をかいていない方で、関節痛などが強く、悪寒がしてガタガタ震えている方は「麻黄湯(まおうとう)」を用います。逆に、汗をかいている方は作用がマイルドな「桂枝湯(けいしとう)」を用います。他にも喉の痛みや、鼻水、冷えなどに応じて様々な漢方薬を使い分けていきます。インフルエンザは麻黄湯のような症状がよく見られますが、体質で使い分ける必要があるので注意が必要です。
太陽病が進行すると「少陽病」と呼びます。風邪は治ったのにスッキリしない状態、例えば食欲が落ちたり、眠りにくくなってしまったり、微熱や咳だけ続いたりなど、前の体調に戻っていない方が該当します。この段階では主に「柴胡(さいこ)」が入った漢方薬を用いて体調を整えていきます。
感染に漢方薬は有用ですが、溶連菌などの細菌を原因とした感染症や、元々気管支などの呼吸器が弱い方などは抗生物質が必要な場合が多くあります。両者を上手に使って、風邪に負けない体を作っていきましょう。
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